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当事者とは




「トランスジェンダーを含む

LGBTQ+差別に反対する

映画監督有志の声明掲出プロジェクト」の記者会見動画を見た。

こちらの動画。


登壇者は、

本プロジェクトの発起人の1人である東海林毅(しょうじつよし)さんと、

歌手であり俳優である中村中(なかむらあたる)さん、

俳優の水越とものりさんの3人。


あたるさんは一昨年の舞台「歌妖曲」で共演したことをきっかけに知り合い

(もちろんはるか10年以上前にMステで弾き語りをされていた姿を一方的に脳裏に焼き付けている)、

つい先日、ご自身主催の元・少年少女合唱団に初参加メンバーとして入れてもらった。


水越さんは10年ほど前、とある舞台に出演した際にご一緒し、

打ち上げで僕が荒れたとき優しく宥めてくれた。

あの時はまぢですみませんでした、、、。

きっとこの謝罪はご本人には届かないだろう。

いつかお会いした時にでもスーパー土下座をしよう。



それはさておき!


動画を拝見した。


内容としては、

まず東海林さんら発起人メンバーがなぜこのプロジェクトを立ち上げたのか、

実際に映像の現場でどのようなハラスメントおよび差別が起こっているのか、

最後に記者からの質問に御三方が答えていくというものだった。


あたるさんと水越さんはご自身が経験されたことを中心に

当時の心情や、そして、その経験から何を考えたかなどを、

淡々と語っていた。

きっと思い出したくないこともあると思うに、

語ってくださった勇気に敬意を示したい。


僕も考えたことを一つここに書いていこうと思う。

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昨年携わった舞台が「障害」をテーマに扱っていたことと、

僕自身が障害者家族の当事者なこともあって、

最近のこのブログ(つっても出産と育児と仕事が大変すぎて全然更新してねえ)の話題が「障害」ばかりになってしまっている気がするが、

やっぱり自分と近いテーマから色々考えてしまいがちなので、

考えたことをつらつらと。

偏見や憶測で生きづらさがあるという点では同じなのかなと。


話を大きくずらすけど、ちゃんと本題に収束させる予定です。

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いきなりだけども。


日本で障害者が多く誕生したのは、いつだろう。


戦中・戦後の負傷者たちを除くと、

高度経済成長期に日本の障害者人口は急増した。


敗戦国であった日本が急速な経済発展を押し進め、

奇跡とも言える躍進を見せたことはどの教科書にもキラキラと書かれている反面、

公害や、危険労働による怪我で障害を持つ人々が急増したことは、

なかなか周知されていないし、

教科書に載ったとしても僅かなスペースだ。


それから次第に社会福祉が整備され、

例え生まれた時は健康だった人が、何かのきっかけで障害や病気を持つ「マイノリティ」になってしまったとしても、

それを掬い上げるセーフティネットが蓄積されていったという歴史を、

現代に生きる人は忘れてはいけないというのが僕の考えだ。

(そのセーフティネットが完全か不完全かの議論はここでは省く)



障害者も健常者も、

社会や経済を下支えしている、目に見えない大きな網の中で、

生活している。


言いたいことは、

華やかに見える何かには

その「裏側」が存在している、ということが往々にしてあり、

そのことに対する視座を常に忘れてはいけないなと思うのである。


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さて、話をプロジェクトの記者会見動画に戻す。


このテーマに対し、僕は直接的な当事者ではない。

が、直接的な当事者ではないからと言って無関心であっていいはずがない。


僕は「間接的」な当事者であると考える。


一見、華やかで健康そうに見える作品であっても、

必ずその背後に不当に傷ついている人や我慢している人がいないか、

常に気にかける必要がある。


また実際にハラスメントや差別が起こってしまったときに

どうするか。(起こらないに越したことはないんだけど)


長々と社会福祉のセーフティネットの話をしたのは、

芸能の制作現場においてもセーフティネットが必要であるということを

改めてこの動画を拝見して、感じたからだ。


そして、そういったネットがあることによって、

例え自分がトランスジェンダーやLGBTQ+の当事者でなくとも、

何かの不当な差別・ハラスメントを受けた時にそのネットに守ってもらえる。

そしたらみんな気持ちよく仕事ができる。

そういった意味で間接的な当事者であると思う。


今まで見過ごされてきた、

見過ごされすぎてきたから、

今回のように声が上がったのだということがよくわかった。

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このようなテーマは、

人によって、現場によって、状況が星の数ほどあるので扱うことが難しい。


けれど、難しいからといって目を背けてはいけない。


月並みな感想だが

この記者会見を通じて、

僕は個人的に色々考えることができた。


ぜひ広く拡散されて、

できるだけ多くの人がこのテーマについて考えるきっかけになるといいと思った。









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